ホテルの売上を増やすなら「宿泊単価」と「稼働率」どちらを優先すべき?

ホテル運営において、売上を伸ばす方法は大きく2つあります。
宿泊単価を上げる
稼働率を上げる
「安くしてでも満室にするべき?」
「価格を上げて利益を確保するべき?」
ホテルオーナーなら、一度は悩んだことがあるのではないでしょうか。
今回は、具体的な数字を使って考えてみます。
目次
ホテル売上を決める2つの数字
「稼働率」を上げた場合
「宿泊単価」を上げた場合
どちらを優先するべき?
大切なのは「売上」だけではない
① ホテル売上を決める2つの数字
例えば、20室のホテルを考えてみます。
客室数:20室
平均宿泊単価:15,000円
稼働率:70%
この場合、
20室 × 365日 × 70% × 15,000円
= 年間約7,665万円
の客室売上になります。
では、ここから「稼働率」と「宿泊単価」のどちらかを改善するとどうなるでしょうか?
② 「稼働率」を上げた場合
宿泊単価15,000円のまま、稼働率を70%→80%に上げてみます。
20室 × 365日 × 80% × 15,000円
= 年間約8,760万円
つまり、
年間+1,095万円
の売上アップです。
10ポイントの稼働率改善は、かなり大きなインパクトがあります。
③ 「宿泊単価」を上げた場合
今度は稼働率70%のまま、宿泊単価を15,000円→17,000円に上げてみます。
20室 × 365日 × 70% × 17,000円
= 年間約8,687万円
こちらも、
年間+1,022万円
の売上アップになります。
つまり今回の条件では、
稼働率+10ポイント → +1,095万円
宿泊単価+2,000円 → +1,022万円
となり、ほぼ同じくらいのインパクトがあります。
④ では、どちらを優先するべき?
結論としては、**「現在のホテルの状況によって変わる」**です。
例えば、
稼働率が低いホテル
平日が大きく空いている
閑散期の空室が多い
OTAで検索されても予約につながらない
このようなホテルなら、
まず稼働率を上げる施策
を検討する価値があります。
一方、
すでに高稼働のホテル
常に80~90%以上埋まっている
土日はほぼ満室
繁忙期は予約を断っている
この場合は、単純に値下げして稼働率を上げるより、
宿泊単価を上げる
ほうが合理的です。
「満室にすること」だけを目標にすると、本来もっと高い価格で泊まってくれるゲストまで
安く泊めてしまう可能性があります。
⑤ 大切なのは「売上」だけではない
ここで忘れてはいけないのが、売上=利益ではないということです。
例えば、客室単価を2,000円上げても、清掃費や販売手数料などのコストが大きく増えるわけではありません。
一方、稼働率を上げれば、
清掃費
リネン費
アメニティ費
光熱費
人件費
など、宿泊数に応じて増えるコストがあります。
そのためホテル経営では、
「何室売れたか」だけではなく、「1室売ることでいくら利益が残るか」
まで考える必要があります。
まとめ
ホテルの売上アップを考えるとき、
「稼働率を上げる=正解」「宿泊単価を上げる=正解」
という単純な答えはありません。
重要なのは、
現在の稼働率
平均宿泊単価
曜日・季節ごとの需要
競合ホテルの価格
1室あたりの変動コスト
を見ながら判断すること。
「満室にすること」が目的なのか、「利益を最大化すること」が目的なのか。
ホテル経営では、この2つを混同しないことが重要です。
数字を一度並べてみるだけでも、今まで見えていなかった「売上を伸ばすポイント」が見つかるかもしれません。


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